上腕二頭筋長頭腱炎

上腕二頭筋長頭は上腕骨（腕の骨）の結節間溝と言う溝と、横上腕靭帯からなるトンネルを通ります。

・野球の投球動作

・テニスのサーブ

・バレーのアタック

・肩周りのトレーニングの好きな方

・重労働をされる方

などに多く見られます。

上腕二頭筋は腕を上げたり肘を曲げたりするときにつかいます。

その際にかかる、腱とトンネルでの摩擦により、炎症を引き起こします。

そのため、腕を上げようとしたり荷物を持ち上げようと力を入れた際に痛みが出たりします。

病態が進行すると、慢性化したり腱の断裂を引き起こすことがあるため、注意が必要です。

検査としては、レントゲンに損傷はうつ らないため、問診や徒手検査（以下参照）、ＭＲＩ検査、 超音波検査などが有効です。

徒手検査は接骨院で行い、上腕二頭筋長頭腱炎の疑いがあるかどうかが確認できます。

治療は手技療法を行い上腕二頭筋をはじめ肩周りの筋肉を緩め、患部にかかるストレスを減らすことが大切です。

その後、運動療法により筋力トレーニングを行い、仕事復帰や再発予防のための強化を行います。

上記の治療を4-6カ月間行って症状が改善しない場合は、上腕二頭筋長頭腱を結節間溝の中で固定する手術や烏口突起と呼ばれる箇所へ腱の走行を変える手術の適応となることがあります。 

下記の検査で痛みがある場合、上腕ニ頭筋長頭腱炎の疑いがあります!

①ヤーガソンテスト

術者は患者様の肘を９０度曲げさせ、手を内向きに捻らせる。

患者様は術者の内向きへの力に対抗して手を外向きに返す。

このとき肩関節の前面に痛みが生じた場合、上腕ニ頭筋長頭腱炎が陽性となります。

②スピードテスト

患者様の手のひらを上に向けて、肘を伸ばしたまま上に上げる。

術者は患者様の手をつかみ、下向きに抵抗をかける。

肩関節の前面に痛みが生じた場合、上腕ニ頭筋長頭腱炎が陽性となります。

上腕二頭筋長頭腱炎は腱が骨と摩擦でこすれて、傷がついていたり、擦り切れていることが多いです。

そのため痛みが鋭く、傷がついている腱が肩を動かすことでこすれた際に、強い痛みが走ります。

痛みで力が入りません。

基本は保存療法の治療になります。

一番重要なのが上腕二頭筋長頭腱にストレスをかけないことです。

治療は、上腕二頭筋を緩ませ、肩関節周辺の三角筋、大胸筋、僧帽筋、首周りの胸鎖乳突筋、斜角筋、肩甲骨周りの菱形筋、棘上筋、棘下筋、大円筋、小円筋、肩甲下筋など、肩関節を動かす際に影響する筋肉をしっかり緩める必要があります。

猫背やまき肩、ストレートネックの場合は、姿勢を治すことも必要です。

ほとんどの患者様が姿勢不良があるため、上腕二頭筋長頭腱にストレスがかかっていることが多いです。

そして、肩関節、肩甲骨の可動域を広げます。

炎症期が終わり、筋肉が柔らかくなり、肩関節の可動域が広がったら、肩関節周りの筋力トレーニングを行います。