化膿性脊椎炎や脊椎カリエスは、感染した細菌が血流により脊椎(背骨)に運ばれることで化膿する病気です。

半数以上は黄色ブドウ球菌が原因の化膿性脊椎炎です。

結核菌の感染が原因である場合、化膿が起こる位置や症状が異なるため、脊椎カリエス(結核性脊椎炎)といって区別します。

40～50代に多い疾患です。

糖尿病、悪性腫瘍、肝機能障害、透析患者など、免疫力の低下している人に起こりやすい病気です。

 

【化膿性脊椎炎・脊椎カリエスの症状】

【急性の化膿性脊椎炎】

・腰や背中の激痛

・高熱

 

【慢性の可能性脊椎炎】

・痛みは軽い　

・脊椎がつぶれたり、脊髄の周囲に膿がたまることで神経が圧迫されると、下肢の麻痺

 

【脊椎カリエス】

・微熱

・食欲不振

・倦怠感

・化膿性脊椎炎に比べると腰の痛みは少なく、ゆっくりと進行します。

しかし、ヒトは結核菌に対する抵抗力が弱いため、広範囲にわたって椎間板や脊椎の損傷が起こる可能性があります。

早期に発見し、治療をすることが大切です。

どちらの疾患も、背中をたたくと痛みが増します。

 

通常の急性腰椎症は6～8週間程度様子を見れば痛みはおさまりしが、これらの病気の場合は6カ月以上腰痛が続きます。

【化膿性脊椎炎・脊椎カリエスの治療法】

 

化膿性脊椎炎の治療は、抗菌薬を使い安静にします。

入院することもあります。
脊椎カリエスは、結核菌の感染による原因のため、抗結核薬による治療が行なわれます。
化膿性脊椎炎でも脊椎カリエスでも、神経症状や、脊椎の変形が進んでいる場合には手術が必要になります。