膝内側側副靭帯損傷（MCL損傷）

内側側副靭帯（MCL）は、膝の靭帯の一つであり膝関節の内側に位置しています。

膝の関節は太ももの骨（大腿骨：だいたいこつ）と、脛（すね）の骨（脛骨：けいこつ）からなります。

関節の中には、前十字靭帯と後十字靭帯という靭帯があります。

関節の内側には内側側副靭帯、関節の外側には外側側副靭帯という靭帯があります。

それぞれ、関節を安定させる働きを担っています。

その中でも、内側側副靭帯は、特に膝の内側の安定性を保つという役割をしています。

スポーツ外傷や、交通事故などで、膝に外反強制（すねを無理に外側に向けられること）するような大きな力が加わった際に、内側側副靭帯損傷（MCL損傷）が起こりやすいとされています。

内側側副靭帯損傷は、膝の靭帯損傷の中で最も多いとされています。

①痛み・腫れ

急性期（怪我をしてから3週間頃）に、膝の痛みと可動域制限がみられます。

しばらくして腫れ（関節内血腫）が目立ってくることもあります。

急性期が過ぎると、痛みや腫れ、可動域制限は軽快してきます。

②膝の不安定性

この頃になると損傷部位によっては膝の不安定感が徐々に目立ってくることがあります。

ひねり動作の際にはっきりすることが多いです。

内側側副靭帯損傷の場合は、すねから下が外へずれてしまうような不安定感が出ます。

この状態のまま放置しておくと、新たに半月（板）損傷や軟骨損傷などを生じ、慢性的な痛みや腫れ（水腫）になってしまうこともあります。

変形性膝関節症に移行しやすいです。

自然治癒が難しいため、早めに治療を開始しましょう。

内側側副靭帯損傷は、1〜3度に分類できます。

①1度

軽症です。

歩き方や、日常生活動作の癖などで、症状は進行します。

歩行指導、日常生活での注意点をお伝えいたします。

この段階なら、治療により治ります。

②2度

中等症で、膝の外反動揺性、ぐらぐら感を中程度に認めます。

初期治療（リハビリ、歩行指導、日常生活動作の注意点、装具など）が重要となります。

早めの治療開始で、治る確率が上がります。

治療開始が遅れると治りにくいです。

③3度

重症で、膝の外反動揺性が顕著であり、手術を要する場合が多いといわれています。

こちらも、リハビリ、歩行指導、日常生活動作の注意点、装具などが重要です。

治療により、手術をせずに日常生活が過ごせることも十分あるため、まずはご相談ください。

膝内側側副靱帯の検査方法です。

ストレステスト

診察では膝関節にストレスを加えて緩みの程度を健側と比較します。

① 外反ストレステスト

患者さんが仰向けになり、膝を伸ばした姿勢と30°膝に曲げた姿勢の2パターンでチェックをします。

検査者が膝関節の外側に一方の手を置き、他方の手で足関節を持ち膝関節に外反強制力（すねを外側に向ける力）を加え、膝関節の外反不安定性をみます。

この際、30°屈曲位で外反不安定性があれば、内側側副靭帯損傷を疑います。

内側側副靭帯の単独損傷では伸展位での不安定性は認めません。

② 内反ストレステスト

検査者が膝関節の内側に一方の手を置き、他方の手で足関節を持ち膝関節に内反強制力（すねを内側に向ける力）を加え、膝関節の内反不安定性をみます。

この際、30°屈曲位で内反不安定性があれば、外側側副靱帯損傷を疑います。

内側側副靭帯損傷の治療法は、損傷の程度や症状で決められます。

①保存的治療

内側側副靭帯の単独靱帯損傷の場合には、手術ではなくリハビリ治療による保存的治療が選択されます。

受傷後急性期には、 RICE（安静または短期の固定、冷却、弾力包帯などによる圧迫、患肢の挙上）処置に引き続いて、できるだけ早期から筋力訓練を開始します。

②サポーター装着

膝に不安定性がある場合は、損傷靱帯保護の目的で支柱付きのサポーター装用を考慮します。

③手術療法

膝前十字靭帯損傷や膝半月板損傷との合併や、重症度3度であり保存的治療では治らないことが予想される場合には手術療法が行われます。

当院では、できる限りリハビリによる保存療法で行いますが、初診時に問診とお体の状態を見させていただき、手術が必要と判断した場合はご説明をし、病院を紹介いたします。

手術後のリハビリはお任せください。

手術後のリハビリは、医師の許可が出たら固まる前に即開始するのが良いです。

内側側副靭帯損傷の有無は、上記の徒手検査と問診で判断いたします。

治療は、症状により異なりますが一部ご紹介いたします。

膝関節を動かす筋肉の、太もも、ふくらはぎをしっかりと緩ませます。

膝蓋骨の動きが悪い場合は、可動域を広げます。

脛骨（膝関節の下の内側の骨）が捻れていることが多いため、捻れがあれば戻します。

体重が膝関節にのると、変形性膝関節症に移行するため重心の軸をあわせます。

膝関節は、股関節や足首関節の動きと連動します。

そのため、股関節や足首関節の動きが悪ければ、可動域を広げる必要があります。

からだ工房meguri接骨院の治療は、骨の位置異常を戻して、関節の動きを広げるため根本から治します。そのため、再発予防になります。

歩行指導、日常生活での注意点をお伝えします。（再発予防には、とても重要です）